
今年の梅の花は待ち遠しかった。

1月は例年梅の木の剪定をする。
素人の剪定で10年以上続けてきたことだ。
脚立に上がると幹に何やら穴を発見、、、
初めてのことに動揺。
恐る恐るその穴がどのくらいか棒を入れてみる。
5cmほどで突き当り深さ不明。
いつかの剪定の不手際で腐ってしまったのか(涙)
お隣さんのおっしゃるには60年は経っている老木とか。
私の下手な剪定にもかかわらず、毎年たくさんの梅をつけてくれている。
ネットでいくつか検索。穴のなくなる部分まで切るとあり、
電動のこぎりを用意し
慎重に切っていくこととした。。。


5cmほど切ると中心部が地図上に大きく洞状の穴になっていた!
冬眠している何かがいるのではないかと恐る恐る
さらに思い切って10cmほど切る。
洞には何もいないようだが
え!まだ洞は幹の下に続いている。
次は大きく元気な太い枝を何本か出している部分を切ることになるが。
幹が空洞だからこの枝を支えるの幹が倒れたら大変だ。
しかし、たくさんの花芽がついた立派な枝を数本も切ることに、、
思考が巡る中
思い切って10cmほど切った。
空洞はなくなったが、なんと中心10cm近くおがくず状態にふかふかしているではないか。
意を決して切ったあとで
かなりショック。
そのふかふかは棒を入れてみるとずっと下のほうまで入る、、、



その時気付いた。
ふかふかなのは心材と言われる部分。
もしやこの15cm以上あるサルノコシカケが原因ではないかと。
老木には出来るといわれるサルノコシカケ、、、
樹木の枯死や倒木リスクを高めるという。
一方周囲の固い部分、辺材や内樹皮と言い、生きて重要な役割をしていることが後で分かった。
だから洞が深く大きくても生き生き枝を伸ばしていたのだ。
大きく朽ちた部分や猿のこしかけができても
例年見事に枝葉を伸ばしたくさんの梅をつけてくれた。
精一杯生きて健気で愛おしい我が家の梅の木よ。
神社や仏閣にも大木で大きな洞があっても
生命力いっぱいに生き生き枝葉を伸ばしている樹を見ることがある。

これは何の学びかなぁ
夕暮れに枝のすっかり少なくなった梅の木の前で
もしや、脚立に上って梅をもぐときに転落を避けてくれたのかもしれない
猿のこしかけによる倒木リスク回避になったのかも
と、思ってみたり。。。
でも、こんなに切らなくてもよかったよね(涙)
梅の木さんにお詫びする
精一杯生きている梅の木さんごめんなさい。
自分を慰めるために
せめて何かの形にできないかと
たくさん切ってしまった枝を見て梅の木染めをとも思ったり
切った幹はアート作品かビカクシダの着生用のプレートにしようか。

時は4月
切り出した幹と
枝をきれいに束ね乾燥させておいたそれらは、
御近所さんが見えたときに暖炉の薪としてもらわれていった。
毎年梅をおすそ分けしているご近所さん
私よりはるか昔からこの梅の木を知っていてくださる。
「よく頑張って生きているわね」と梅の木を温かく労ってくれた。
その梅の木にも小さな梅が付き始めている。
梅の木の精霊よありがとう。
kixtutemo